C値とは?高気密性の住宅を建てるメリットを解説
C値という言葉を耳にしたことがありますか?
高気密の住宅建設に欠かせない数値で、これから新しく住宅を建築しようと思った際に、ぜひ注目してもらいたいものです。
今回は快適な住宅建設で重要なC値について、高気密性の住宅を建てるメリットと一緒に解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
C値とは?
C値とは、住宅がどの程度の気密性を保っているかを図る指標のことです。
C値を簡単に説明すると、建物の総面積に対して、どの程度のすき間があるかということ。たとえば200m²面積を持つ住宅のC値が1.0だった場合、すき間の総面積は200cm²となります。
C値は高ければ高いほど住宅内のすき間面積が多く、反対にC値は低ければ低いほどすき間面積が少ないということです。すき間面積が少ないほど気密性が高くなるため「高気密住宅=C値が少ない住宅」といえます。
C値を測定するためには、気密測定というものが必須です。しかし現在の日本では、「住宅10棟のうち1棟も測定がされていない」といわれています。
国の省エネ基準ではC値の測定が求められていないことから、気密測定を行っていない住宅会社があるためです。
気密性の低い家だとどうなる?
最近はインターネットやテレビCMなどでも、「高気密高断熱住宅」といった言葉が見られるようになってきました。
高断熱性とは建物内にある熱をできるだけ外へ逃がさず、室内で一定に保っていられる性能のことです。
断熱性が高い住宅は暖房で温まった空気や、冷房で冷やされた空気が外に逃げにくいので、一年を通して快適な住空間を保てます。高断熱性はUA値という数値で示されます。住宅会社のカタログやホームページでも公開されており、「快適な住宅を建てたい!」と思っている人の多くは、UA値を気にかけるかもしれません。
しかし高断熱性と同じくらい大切なのが、気密性の高さです。
どれだけ断熱性が高くても、気密性が低いと、住宅全体の断熱性は落ちます。極端なたとえですが、暖房がガンガン効いている部屋で、窓やドアが全開になっている状態のようなものです。また壁の中に結露が起きる原因もなるでしょう。
建物内にある空気が外の流れていき、その過程で壁の中が冷やされます。すき間からは水が入りやすくなり、雨漏りの原因にもなりかねません。さらに適切な換気ができないのも、気密性が低い家の特徴です。
とくにC値が1.0を超える住宅の場合、どれほど換気システムが優れていたとしても、適切な換気が行われにくいといわれています。快適な住宅となるC値の目安は1.0以下。できれば0.7以下とするのが理想ですが、高気密性の住宅はそれなりのコストもかかるため、それぞれの予算と相談してみるとよいでしょう。
高気密性能の家に住むメリット
高機密性能の家に住む主なメリットは、次の通りです。
暖房・冷房効率がアップする
最も大きなメリットの一つが、暖房・冷房効率がアップすることです。
建物内のすき間が少なくなるため、暖房で暖められた空気や冷房で冷やされた空気が外に逃げません。生活に快適な温度が長時間保たれ、1年を通して住みやすい住宅となるでしょう。
省エネで節約につながる
暖房・冷房効率がアップすれば、少ない電力で快適な住空間をキープできるようになります。
少ない電力で済むということは、電気代やガス代、灯油代の節約になるということ。省エネで節約にもつながります。
家の腐敗を防げる
先に述べたように、気密性が低い住宅は壁の中に結露が発生しやすくなります。
結露が発生すると必然的に湿度が上昇し、壁の中にカビが生まれやすくなるでしょう。気密性の高い住宅なら壁の中に結露が発生しにくく、家の腐敗を防げるようになります。
適切に換気が行われ、嫌な臭いの発生を抑えられる
4つ目のメリットは適切に換気が行われ、嫌な臭いの発生を抑えられることです。
部屋の中で人間が生活していると、二酸化炭素や水蒸気、食べ物の臭いやタバコの臭いなど、不快に感じる臭いがどうしても生まれます。一つの住宅の中で気密性が低すぎる場所があると、換気が上手く行われません。
建物全体の気密性を高くすることで換気効率がアップし、嫌な臭いの発生を抑えられます。
有害物質の侵入を防げるようになる
住んでいる場所や時期にもよりますが、外には黄砂や花粉、PM2.5といった人体に有害な物質が浮遊しています。
気密性の低い住宅はすき間が多く、必然的に外から有害物質が家の中に侵入してくるでしょう。
反対に高気密の住宅なら有害物質が侵入しにくく、さらに外気フィルターを設置することで、1日を通して新鮮できれいな空気を保てるようになります。
C値とは住宅の気密性を表す数値のこと。低ければ低いほど、気密性が高いということです。
気密性が高い住宅は暖房・冷房効率がアップしたり、節約効果があったり、家の腐敗を防止できたりと、さまざまなメリットをもたらします。住宅選びの一つの基準とするとよいでしょう。