注文住宅におけるフルオーダーとセミオーダーの違いとは?
注文住宅は、フルオーダー住宅とセミオーダー住宅の2つに大別できます。フルオーダーとセミオーダーでは、施主が仕様を決められる範囲が異なりますが、両者の違いは家づくりにどのような影響を及ぼすのでしょうか。ここでは、フルオーダー住宅とセミオーダー住宅のメリット・デメリットを解説します。
フルオーダー住宅を選ぶメリット・デメリット
フルオーダー住宅の特徴は、「すべてを自由に決められる」点にあります。自由度が高いことで、どのようなメリット・デメリットにつながるのかを見てみましょう。
■メリット1
理想の家づくりができる
フルオーダー住宅で施主が自由に決められる範囲は、間取りや外観、仕様など多岐にわたります。こだわろうと思えば、建材や設備などにも細かくこだわれるため、フルオーダー住宅は理想の家づくりにはもってこいのスタイルだといえるでしょう。
■メリット2
柔軟に対応できる
フルオーダー住宅の場合、すべてを自由に決められるわけですから、何をどこまで取り入れるかを柔軟に考えられます。予算を目一杯使ってこだわりぬいた家にすることも、逆にコストパフォーマンスを重視した家づくりをすることも可能です。お金をかけるところとかけないところを自分で調節できるため、やり方によっては「ここだけはこだわりたい」というポイントを実現しつつも予算内に収められる可能性もあります。
■デメリット
コストと工期がかかる
フルオーダー住宅の場合、安くあげる方向で調整することも可能とはいえ、やはりこだわりを盛り込む傾向が強くなります。そのため、こだわりを盛り込みすぎて予算や工期が予想以上にかかってしまい、自由にこだわりを盛り込めることが仇になることも。
セミオーダー住宅を選ぶメリット・デメリット
セミオーダー住宅の場合、基本的な仕様はすでに決まっています。その上で、施主は一部のデザインや設備などについて決定し、家づくりを進めます。ここでは、セミオーダー住宅を採用した場合のメリット・デメリットを紹介します。
■メリット1
スムーズに進めやすい
自由度が高すぎると、何をどこまで決めればいいのか、かえって混乱してしまうこともあります。とくに、住宅の仕様については、決め慣れている人のほうが少ないでしょう。決めるべき項目や選択肢が絞られていることで、かえってスムーズに家づくりを進められる可能性があります。
■メリット2
コストと工期を抑えやすい
セミオーダー住宅は、フルオーダーほどこだわりを詰め込むことはできませんが、反対に、詰め込みすぎるおそれもありません。そのため、セミオーダーの場合はフルオーダーよりコストを抑えられるというメリットがあります。また、基本仕様がある程度決まっていることから、工期も長引く心配がありません。そのため、完成時期の予想が立てやすく、入居時期の希望が固まっている人にも向いたスタイルとなっています。
■デメリット
フルオーダー住宅より選択肢が狭まる
セミオーダー住宅の場合、フルオーダー住宅のようにあらゆることを施主が決められるわけではありません。導入できるデザインや仕様などの選択肢は狭まります。また、設備面だけでなく、セミオーダーの場合、建築制限のある土地などには建てられないため、土地選びの選択肢も狭まる可能性があります。
注文住宅の施工業者を決める際に意識するべき点
フルオーダー住宅・セミオーダー住宅のいずれを選ぶ場合も、注文住宅を建てる際は施工業者選びが肝心です。注文住宅の施工業者は、次のポイントを押さえて選ぶとよいでしょう。
■1それぞれの業者の強みを把握する
施工業者によって、得意な工法や仕入れのルートが異なります。そのため、業者を選ぶ際には、自分が希望する仕様が実現できるか、好みの設備が導入できるかを把握しておくことをおすすめします。
■2業者の実績・信頼性をチェックする
業者選びの際には、その会社の実績や信頼性も参考になります。実績が豊富で、顧客からの信頼度が高い業者を選ぶことで、質の高い対応や施工が期待できます。実績や信頼性をチェックするには、施工事例やWebサイトに掲載されている「お客様の声」や口コミなどを見るとよいでしょう。
■3保証・アフターフォローを確認する
住宅は建てて終わりではありません。長く住み続けるためには、定期的なメンテナンスや突然のトラブルへの対応が必要です。多くの場合、アフターフォローは施工してくれた業者に任せることになるため、業者を選ぶ際には保証を含めたアフターフォローが万全かどうかを確認することをおすすめします。業者探しのタイミングでは建築後のことまでは気が回りにくいものですが、マイホームでの生活を左右する大切な要素ですので、ぜひ考慮に入れましょう。
■4複数の業者で相見積もりを取る
業者を決める際には、最初から一社に絞り込むのではなく、複数の業者から相見積もりを取りましょう。同じ仕様で施工を依頼しても、業者によって施工の技術や仕入れのルートが異なり、それにともなって費用も変わってきます。施工内容やコスト面を充分比較した上で、最終的に依頼する業者を決めましょう。
フルオーダー住宅は自由度が高く、柔軟にこだわりを盛り込めますが、セミオーダー住宅はコストや工期がコントロールしながらスムーズに家づくりを進められます。注文住宅は、一概に自由度が高ければよい、安ければよいとはいえません。理想のマイホームを実現するためには、自分に合った方法と、希望を反映してくれる業者を選ぶことが大切です。