注文住宅の予算決めから引き渡しまでにかかる期間はどれくらい?
注文住宅を検討する際「どれくらいの期間がかかるのか」「どのような流れで進めればよいのか」わからないことばかりで不安になりますよね。こちらでは注文住宅を建てるまでの流れ、引き渡しまでにかかる期間などを解説します。細かく解説しているので実際に注文住宅を計画する際の参考になりますよ。
注文住宅を建てるまでの流れ
注文住宅を建てる際は大きく7つのステップがあります。①計画の大枠を決める②建てたい家を決める③建築会社に相談する④建築会社を決める⑤建築会社と打合せをする⑥着工準備をする⑦工事⑧引き渡し、です。順番に解説します。
① 計画の大枠を決める
注文住宅を計画する際にこのプロセスが抜ける人がとても多いです。建てたい家を考える前に、以下の3つを考えましょう。建築場所の希望を決める、予算を決める、時期を決める、です。ここがぶれると希望時期を逃したりあとあと予算オーバーに気付いたりします。家族内でしっかりと話し合いを行いましょう。
② 建てたい家の大枠を決める
計画の大枠が決まったら建てたい家を考えましょう。この検討をしているときは夢も膨らむため、家づくりの中で最も楽しい時間になるでしょう。SNSやカタログや雑誌などを取り寄せ、間取り、デザイン、収納、家事、可変性などについて考え、自分達の要望を整理しましょう。
大事なのは優先順位をたてること。なぜなら希望をすべてかなえられる人はほとんどいないからです。最終的には選ぶものと捨てるものを決めないといけないということを認識しましょう。
③ 建築会社に相談する
建てたい家が決まったら建築会社に相談しましょう。比較的早い段階で相談してもよいです。なぜなら①②が完全でなくても建築会社の営業担当が解決してくれる事もあるからです。土地情報や建築時期に合わせた補助金情報など、建築会社はよく知っていますよ!図面提案、見積もり提示と合わせて、建物の特徴や保証情報などを聞きます。
④ 建築会社を決める
おそらくここが最も迷うポイントでしょう。建築会社によってできることとできないことがあり、得意なことと不得意なことがあります。そして金額や内容もバラバラでそれぞれによいところがある中から一社に絞らなければいけません。①②で鮮明に自分達の生活をイメージできていればいるほど決めやすいと思います。
⑤ 建築会社と打合せをする
打合せで決めることはたくさんありますが、大まかには以下の4つです。
・間取りの確定
部屋数や建物面積など基本的な計画の部分です。部屋の広さや収納量などもしっかりチェックする必要があります。展示場の見学や実際に建った家の見学をして感覚を掴みましょう。
・仕様の確定
使用する部材を決めていきます。好みの色柄やインテリアに合わせて部材を選んでいきます。とくにキッチン、バスなどの設備は選択内容も多いため、カタログやショールーム見学を通してよく検討しましょう。
・詳細の確定
コンセントの位置や高さ、照明計画、カーテン、外構などを決めます。間取りと同じく、住まい心地や見た目を大きく左右する部分なのでここでも気を抜くわけにはいきません。
・見積もりの確定
最終的にやることとやらないことを決めます。希望したものをすべてできる人はなかなかいません。最終的には見積もりをみて自分達にとって価値のある計画かどうかを判断しましょう。
住宅の話をしていると金銭感覚が麻痺するので注意が必要です。「10万円くらいならいいか」というような話をよく聞きますが、10万円はかなりの大金です。同じお金で何ができるかをよく考えましょう。同じ金額なら旅行や外食に当てた方がよい、という項目もあるかもしれません。
⑥ 着工の準備が必要
着工準備期間は図面作成と申請の期間です。施主側はとくにすることはなく、この間は建築会社が手続きを進めてくれます。一か月ほど工事までの期間が空くため、この間に家具や家電を検討するのもよいかもしれません。
⑦ 工事
工事は基礎工事からはじまり、大工工事、水道工事、電気工事、外装工事はほぼ同時に行われます。大工工事が終盤に差し掛かると、設備取付、内装工事、美装工事が行われて最終的には完成となります。
⑧ 引き渡し
家が完成するといよいよ引き渡しです。引き渡しまでに引越しのための片づけやテレビ、インターネットの準備、郵便物の転送届などの準備もお忘れなく。
注文住宅の引き渡しまでにかかる期間
注文住宅の流れは前章でご説明しましたが、それぞれにかかる期間は以下の通りです。
①計画の大枠を決め、②建てたい家を決めるまでにおよそ2~4か月かかります。③建築会社に相談し、④建築会社を決めるまでにおよそ2か月。⑤建築会社との打合せがおよそ2か月、⑥申請などの着工準備は1か月です。⑦工事は木造の場合4~5か月、鉄骨の場合は3か月前後で完成します。そして⑧引き渡しです。
つまり、11~14か月くらいで、ざっくり1年前後かかると考えていた方がよいと思います。とはいいながら計画には個人差が有ります。土地探しに手間取ると①だけで1年以上かかることもあります。
注文住宅の施工を滞りなく進めるためには?
注文住宅の施工を滞りなく進めるため大事なことは以下の3つです。①決定事項を変更しない②無理な計画を依頼しない③対等な立場だと認識し誠意をもって接する
① 決定事項を変更しない
決定事項を変更するのはとても大きな手間がかかります。たとえばキッチンの仕様が変更になると、大工工事、水道工事、電気工事に影響が出てきます。基本的には後々の変更ができないと考えて打合せにのぞみましょう。
変更項目が多いと間違えないように施工することに職方と現場監督の注意が取られてしまい、よい家を作るための配慮ができないことがあります。
② 無理な計画を依頼しない
無理やりの計画、無理やりの施工はきれいに仕上がりません。施主から頼まれると、例えリスクがあってもなんとか応えようと設計士も現場も頑張りますが、基本的にはそのような計画はやめた方がよいです。希望は伝えて、一度断られたら他の提案で代替ができないかを検討した方がよいです。プロのいう「やめておいた方がよい」は素直に聞きましょう。
③ 対等な立場だと認識し誠意をもって接する
家を建てる方は一生をかけて払うローンを組むので、当然建築会社には間違いのない仕事をしてほしいと思うでしょう。でも相手も人間ということを忘れてはいけません。ミスもあれば感情もあります。横柄な態度などを取ればどこかで必ず返って来ると思って、真摯な態度で接しましょう。そうすればきっと誠意が形となって返ってくると思われます。
注文住宅は検討事項が多く、スタートから引き渡しまでに1年以上かかる作業になります。後悔のない家づくりにするためには全体の流れを把握することがとても重要です。家づくりのスタート時点は資金や建物面積の検討がとても重要です。気になるからといって家具や照明のことばかり検討していると、重要事項が疎かになってしまいますよ。後悔のない家づくりができるようにしっかり計画をたてましょう。